<全柔連>指導者養成事業を再考 上村会長、苦渋の会見

<全柔連>指導者養成事業を再考 上村会長、苦渋の会見
毎日新聞 2013年2月1日(金)21時55分配信

 日本の柔道界は1日、五輪金メダリストの内柴正人被告が九州看護福祉大コーチ時代の部員への準強姦(ごうかん)罪で実刑判決を受け、さらに全日本女子の園田隆二監督の暴力問題に対する引責辞任が決まり、改めて指導者の資質に疑問符が突きつけられた。全日本柔道連盟の上村春樹会長は「こんなことが起きて申し訳ない。きちっとした指導者養成に取り組みたい」と声を絞り出した。

 全柔連が入る東京都文京区の講道館。報道陣の前に現れた上村会長は、やつれた表情。内柴被告を全柔連から追放する会員資格の永久停止処分とする方針を示し、「選手を導くべき指導者がこういうことになり、重く受け止めている」と目を伏せた。

 15人の選手から暴力の告発を受け、引責辞任に追い込まれた園田監督についても「信頼関係は難しいもので、どこかですれ違いとか、意思疎通がうまくいかないところが出てきたと残念に思っている」と声を落とした。

 全柔連では08年度から指導者養成プロジェクトを始め、指導者の専門性を高めるためモデル講習会などの取り組みに着手してきただけに「もっと深めていかなくてはいけない」と事業内容の再検討にも言及した。

 また国際柔道連盟(IJF)から暴力問題を非難する声明文が出たことについて「今回のことをIJFには、きちんと説明したい。柔道の発祥国だからいいんだ、というのでなく、柔道の世界の仲間たちに同じことがないように、指導者の養成をどう努めるか、話し合っていきたい」と述べた。【藤野智成】

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